没文章・レトロラライフの発掘 設定文

現在の愛鳴藩国の基幹技術の一つに上げられるものにレトロライフが存在する。
ある時期を境に、急速に軍用/民生用を問わずに使用されはじめ、現在に至っては
一般家庭でも普通にレトロライフを使用した製品が見られる様になっている。

あまりにも急速に一般化されたため、レトロライフを初めて製品化したのが
愛鳴藩国公社であることをしる人は多くない。まれ、レトロライフは、開発/発見された
のではなく、「発掘」されたという出自を知る人は藩国でも藩国指導部でも一部の人間だけである。

そもそもの発端は、摂政:九頭竜川が指揮する「地下秘密基地(リンクを張る)」計画のため
候補地の調査採掘中に見つかった迷宮から始まる。
愛鳴藩国において、坑道採掘の際に地下迷宮が見つかることはそう珍しいことではない。
そういった迷宮は主に高位はてない国人の修練などに使われるが、その迷宮はそれまでに発見されてきた
迷宮とは異なった様相を呈していた。

その迷宮の特徴は大きく二つであった。
一つめはその迷宮の暗さにある。空気中の粉塵のためか非常に光源の到達距離が非常に短く
極力な探照灯を使用してなお、松明程度距離までしか照らせなくなっていることである。。
正確には粉塵のためではなく、壁面と天井にレトロライフを使用した装置が巧妙に設置されており、
そのために光量が低下していたことが後々に判明する。
二つめが迷宮の作りである。侵入者を防ぐためではなく「何か内部に閉じこめておくために」
構築されていた点である。
構造自体が、内部に向かって複雑に分岐しているのではなく、外部に脱出させない複雑に分岐されており、
また場所によっては強固な隔壁により分断されたとおぼしき箇所も存在した。

厳重に装備を整えた高位はてない国人が率いる調査隊が達した最深部のブロックは、他の部分とは
異なっていた。
そのブロックは、経年劣化により変色はしているものの、迷宮とは異なる廊下やエントランスは
研究所や病院といった様相であった。
現在とは異なる文字ではあるが分類札が規則正しく貼られた、何らかの培養槽とおぼしき円筒の構造物が
並ぶ一室もあった。

特に多重の隔壁によって閉じられた一室には、調査隊を驚愕させるモノが残っていた。。
I=Dの整備用ハンガーデッキを彷彿させる巨大な空間に、それまでに発見されたものとは一線を画す
20mクラスの培養槽が設置されており、内部に異形とも言うべき生物たちを胎んでいたのだ。
それらの生物は培養槽が設置されている壁面の崩落により、生体保持部分がほぼ破壊されていたために
活動を停止していたという。
また、後日の研究により判明したことであるが、それらの培養槽は4機設置されており、
一機につき6台の生命時装置が設置されており、相互補完する形で設計されていたという。
培養槽の破損がこれほどでなければ、まだ生存していた可能性はあったという。

実際に動作する固体は存在せず、使用言語も現在とは異なってはいたが残された機器等の情報により、
恐ろしい程の速度で研究は進められた。結果、様々なことが判明した。その地下迷宮で
研究されていたモノは現在の言葉に直すと、「レトロライフ」と呼ばれる生体機器であり
デザインニングにより様々な用途に使用できると言うこと、使用者を選び万人が使用できる訳では
ないこと等である。
原料については、「不明」で有るとされている。あまりに情報が出ないために、翻訳業務に従事した
言語学者は「妖精」もしくは「式神」と訳すのが正統であると主張したが、あまりの突飛さに
監督官が握りつぶしたのだ。などという噂までそんざいする。

レトロライフについては、現在も原因は究明中であるが、はてない国人であれば
免疫的な拒絶反応が起こらずに使用することができる。
そのため人造臓器や生体器官として医療目的にも用いられ、遺伝子疾患等による死亡率を
大きく引き下げる成果も上げている。
また、軍用限定であるが体内内臓型兵装として使用されることもあり、
それらは通常の人体器官よりも非常に高度な能力を持ち、強力な兵器となる。
特にレトロライフとの親和性が高い将官クラスには、意志を持つレトロライフを
内臓する者も存在するという。

兵装用レトロライフにの分類について
レトロライフは、系統によって概ね4種類に分類される。

・筋力/体格系
使用者と寄生状態では、筋繊維自体に融合することにより、単位面積あたりの筋力の増加を
行うと共に赤血球内の酸素運搬量の増加/筋肉中の乳酸の分解を恒常的に行い、
疲れを知らない戦士へと変化させる。その変化量は圧倒的で、寄生時には体格が
一回り大きくなるほどである。
ただ、そのためにレトロライフ使用者の多くが伸縮性の高いインナーを使用し、
サイズ調整の容易になるような改造を大なった装備を使用するほどである。

・器用/感覚/敏捷系
使用者と寄生状態になったレトロライフは、使用者の神経系と融合し可視光線域の増加/
嗅覚の拡大/可聴範囲音の増加といった五感の拡大と、脳内物質と神経伝達速度の制御を
使用者の意志に基づいた自動的に行う。これらの能力よって使用者の思う動作を
機械よりも正確に実行することが可能なのである。

・知識系
寄生状態のレトロライフは神経系と融合しながら、使用者の脳と接続をおこなう。
この状態ではレトロライフ自体は意志を持たない補助脳的な役割を行う。
融合された神経系は通常よりも遙かに高速な思考を可能にする。使用者の知識に加え
レトロライフ自体に記憶された知識と、その補助脳が持つ演算能力を使用することが
できるため圧倒的な知識量/演算能力を恒常的に得ることができる。

・特殊系
レトロライフが寄生を開始すると同時に、使用者の神経系と融合を開始し、最終的には
ほぼ全身の神経と脳内の一部と同化する形になる。これによって使用者の意志によって
神経での伝達速度を数倍に高め、無意識に行われる筋肉使用限界を解除することができる。
この状態の使用者は、弾丸すらも視認回避する反射神経とそれらに見合う速度で移動可能な
肉体を持つ白兵の王者となりうるのである。


没になった理由
最初はこう行った方向性で行こうと思った居たのですが、途中から
・これってなんてバ○オハ○ード?
・ホラーっぽくて愛鳴らしくない。
・生体実験系になって、描写が暗くなりがちで情操教育に悪い。
と思って没にしました。


と、いうのが表面上の理由で、実際の所はレトロライフの発掘に関して
藩国のTさんから

「あ、あくまで希望なのですが(>_<)
 妖精さんがほしいです。」

と、いう要望がだされまして。これの方向だと妖精は難しい。
出たとしても、情操教育にはよろしくない妖精しか出てこない。
よし、なれば全年齢対応でお子様からご老人まで安心して読んでいただける
妖精が出てくる物語にしようと思い立って没にしました。

文責:脚立@愛鳴藩国